【2015.10.23】 意外と知らない健康保険料の仕組み ~10月の給与から保険料が変更している方がいます~

みなさんの医療費の支払い(自己負担分を除く7割分)や、健診、保健指導の費用などに使われる健康保険料は、毎年7月から9月に見直しの作業が実施され、向こう1年間の健康保険料の額が決定されます。今回は、どのように健康保険料の額が決まるかといった、健康保険料決定までの流れを解説します。

健康保険料は、公的な医療保険の保険料で、被保険者の給与から毎月天引きされています。

健康保険料の額は、被保険者が得る報酬に保険料率※を乗じて計算されますが、毎月被保険者1人ひとりの報酬に応じた保険料を計算するには時間がかかるため、計算上の報酬を設定して計算されています。計算上の報酬は、「標準報酬(標準報酬月額)」と呼ばれ、第1級(月額5万8000円)から第47級(月額121万円)まで47等級に分かれています。この等級表と被保険者の実際の報酬を照らし合わせ、当てはまった等級の額をその人の報酬額とみなし、「標準報酬月額」を決定します。

こうして決定した「標準報酬月額(渡辺パイプの給与明細書には下段に記載しています)」に「※保険料率(10.6%)」(1.4%の介護保険料率を除く)を乗じた額を、毎月健康保険料として納めます。ただし、当健保組合では、事業主が半分を負担するため、給与から天引きされる額はその半分(折半)となります。

なお、報酬は労務の対象として定期的に受け取るもので、給与の他に各手当も含めた収入の合計を指します。ただし、年3回以下の回数で支払われる賞与などは報酬に含めず、別途「標準賞与額」を支給の都度設定し、健康保険料を計算します。

また、標準報酬月額は、健康保険料の額の決定の他に、傷病手当金や出産手当金給付額の計算にも使用されます。そのため、給付額とのかい離が大きくならないよう、定期的に見直しが行われます。

報酬の対象となるもの
賃金、給与、俸給、手当、賞与、(年4回以上のもの)、その他労務の対象として受け取るもの
賞与の対象となるもの
≪次のうち、年3回以下まで支給のもの≫
賞与、期末手当、通勤手当、ボーナス、年度末手当、自社製品などの現物で支給されるもの
報酬等には含まれないもの
結婚祝金、大入袋、傷病見舞金など

毎年実施される「標準報酬月額」の定期的な見直しを「定時決定」といいます。

定時決定は、4月から6月に支払われる報酬の平均額を、標準報酬の等級表と照らし合わせて標準報酬月額を決定します。なお、4月から6月に支払われる報酬とは、4月から6月に得る(受け取る)給与などのことで、6月に行った労務の対象として7月以降に支払われる給与などのことではありません。

定時決定は、9月1日から翌年の8月31日までの標準報酬月額を決定します。ただし、健康保険料は当月分のものが翌月の給与から差し引かれますので、変更になった健康保険料で天引きされるのは、10月に支払われる給与からになります。

一方、定時決定とは別に、昇給などによって報酬が大幅に変更になった場合は、「随時改定」が行われます。随時改定は、一般的に継続した3ヵ月間の報酬の平均額が、標準報酬の等級表と照らし合わせて2等級以上変わる場合で、その変動が昇給または降給によって生じた場合に実施されます。 なお、新規に採用された人の最初の標準報酬月額の決定については、定時決定などとは別に行われます。

COLUMN COLUMN
~等級表の改定について~
 解説した標準報酬月額は、高額所得者や健康保険料の半額を負担する事業主の保険料負担に対する配慮と、保険料に対する給付額の割合の格差があまり大きくならないようにするために、上限が設けられています。
 ただし、この等級表は、時代に合わせて改定が行われており、平成19年4月には、上限が98万円から121万円に引き上げられ、下限は9万8000円から5万8000円に引き下げられました。
 そして、平成28年4月にはさらなる上限の改定が実施されます。改定後は、3等級追加され、第50等級が139万円になります。

平成26年4月1日より、次世代育成支援の観点から、育児休業(以下、育休)期間中に加えて、産前産後休業(以下、産休)期間中の健康保険料が免除になりました。

免除になるのは、産休期間の開始日の属する月から、終了日の翌日の属する月の前月までの健康保険料です。

健康保険料の免除対象となる産休とは、出産手当金の支給対象期間と同様に、出産日(出産の日が出産予定日より後の場合は、出産予定日)以前42日(双子や三つ子の妊娠などは98日)から、出産の日の翌日から数えて56日までの間で、妊娠や出産などの理由で仕事を休んでいる場合をいいます。

また、育休は3歳までの子供を養育するための育児休業期間で、育児休業を開始した日の属する月から、終了日の翌日の属する月の前月までの健康保険料が免除になります。

産休や育休を終えて仕事に復帰した際の健康保険料は、休業前の標準報酬月額に保険料率を乗じて計算します。ただし、産休・育休終了後、時間短縮勤務へ移行するなどにより報酬が下がった場合は、被保険者が事業主を通じて健康保険組合に申し出る(実務上は事業主の申請)ことで、標準報酬月額を改定することができます。

この場合、随時改定とは異なり、産休・育休終了後の継続した3ヵ月間の報酬額の平均額を等級表と照らし合わせた結果、休業前との等級との差が1等級であっても改定が可能です。

給与明細に記載のある健康保険料は、こうして計算されて給与から天引きされ、健康保険組合に収められています。

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