【2014.08.25】 交通事故などの第三者行為に遭ったら
健康保険法第1条では、「労働者の業務外の事由による疾病、負傷若しくは死亡又は出産及びその被扶養者の疾病、負傷、死亡又は出産に関して
保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする」 としています。したがって、
業務外による怪我や傷病であれば それがたとえ 交通事故 や
食中毒 、ケンカ 、
他人の犬に咬まれた といった 第三者の行為 によるものであっても、
健康保険は使用できる ことになります。
ただし、第三者行為による傷病で健康保険を使用する場合は下記 1 の手続きをしていただく必要があり、また業務中(通勤途上)の傷病の場合、
基本的に健康保険は使用できませんので 2 の手続きをしていただくこととなります。
被害者が保険証を用いて治療を受けるには「第三者行為による傷病届 ※」などの必要書類を健康保険組合に
提出する必要があります。この必要書類さえ提出すれば、保険証を用いて治療を受けることに問題はありません。
また、加害者との示談で医療費を受け取ったり白紙委任状等を提出してしまうと、健康保険で医療を受けられなくなることがあります。
もし健康保険を利用されていた場合は健康保険が負担した分を返却していただくこととなりますので、示談をされる際はあらかじめ健康保険組合にご相談ください。
※ | 健康保険を利用した場合、本来は加害者が医療費を負担するべきものを健康保険組合が一時的に立替えているということになります。 この届出を提出していただくことで、後日健康保険組合は加害者へ医療費を請求することができます。 届出が無いと皆さんの健康保険料から支払うことになってしまいます。 |
業務上や通勤途上の事故が原因で病気・けがをしたときは、健康保険は使えません。労災保険の給付を受けることになります。
原因が交通事故のように第三者によるものであっても労災となります(第三者行為災害)。
こういった場合は、医師に「仕事(通勤)中のけが」であることを伝えて治療を受け、会社に連絡をし、労災の事務手続き申請を行ってください。
労災が認定されると本人の医療費自己負担はありません。
業務上・通勤途上とは、次のような場合をいいます。
業務上 | 通勤途上 |
① 作業中(準備や後始末、休憩中を含む) | ① 仕事と関係がある |
② 用便・飲水など生理的に必要な行為によって 作業を中断している場合 |
② 自宅と通勤先との往復である |
③ 火災などの時の防護・救出活動中 | ③ 合理的な通勤経路・方法である |
④ 出張途中 | ④ 往復の経路からはずれたり中断していない |
ただし、上記に該当しても、実際の労災認定に当たっては個々の具体的なケースに応じて判断されますので、必ずしも労災認定されるとは限りません。 認定されなかった場合は、健康保険(自己負担3割)で治療を受けることになります。 (※逆に、上記の条件に該当していなくても個々のケースによっては認定されることもあります)